特許明細書の書き方
特許明細書の書き方 2006年版を、私のホームページにアップしました。これは、過去に公表した明細書作成の理論に加筆訂正したものです。ご参考にしてください。
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知財高裁で、キャノンvsリサイクル・アシスト事件(インクタンクのリサイクル)に関する判決が出た。事件番号は、平成17年(ネ)第10021号 特許権侵害差止請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成16年(ワ)第8557号)である。
予想された結果である。その紹介は、真面目な弁理士のNY研修生活さんのブログに詳しい。 マグノリアさんのブログの記事も良いですね。
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特・実・意が創作保護法であり、必ずしも、独占権による保護でなくともよい(独占権以外の報償等でも創作奨励できる)のに対し、商標法では、独占権でなければならない。商標の独占使用によってはじめて業務上が商標に化体するからである。
また、特実法は、保護対象と保護法益が創作たる発明(考案)である。匠法は、保護対象が物品の意匠で、保護法益が意匠の創作である。(保護法益を保護するため、独占権を意匠のみならず類似意匠にまで付与している)
これに対し、商標法は、保護対象が商標(指定商品)であり、保護法益が業務上の信用である。
業務上の信用は、使用する商標が出所表示機能、品質保証機能、広告宣伝機能をもってはじめて商標に化体する。よって、使用すべき商標に独占権を与える必要がある。類似範囲の使用は、信用の蓄積には寄与しないので独占権は不要。しかし、他人が類似範囲の商標を使用すると、出所の混同が生じ、業務上の信用が毀損される。よって、これを禁止権をもってこれを排除することとした。
★保護法益:
法律学小辞典によれば、法益とは、法によって保護される社会生活上の利益、であり、権利より広い概念です。
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◆H17.11.11 知財高裁 平成17(行ケ)10042 特許権 行政訴訟事件(偏光フィルムの製造法事件)で、裁判所は下記のように判示した。
『特許法旧36条5項は,「第三項四号の特許請求の範囲の記載は,次の各号に適合するものでなければならない。」と規定し,その1号において,「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」と規定している(なお,平成6年改正法により,同号は,同一文言のまま特許法36条6項1号として規定され,現在に至っている。以下「明細書のサポート要件」ともいう。)。
特許制度は,発明を公開させることを前提に,当該発明に特許を付与して,一定期間その発明を業として独占的,排他的に実施することを保障し,もって,発明を奨励し,産業の発達に寄与することを趣旨とするものである。そして,ある発明について特許を受けようとする者が願書に添付すべき明細書は,本来,当該発明の技術内容を一般に開示するとともに,特許権として成立した後にその効力の及ぶ範囲(特許発明の技術的範囲)を明らかにするという役割を有するものであるから,特許請求の範囲に発明として記載して特許を受けるためには,明細書の発明の詳細な説明に,当該発明の課題が解決できることを当業者において認識できるように記載しなければならないというべきである。特許法旧36条5項1号の規定する明細書のサポート要件が,特許請求の範囲の記載を上記規定のように限定したのは,発明の詳細な説明に記載していない発明を特許請求の範囲に記載すると,公開されていない発明について独占的,排他的な権利が発生することになり,一般公衆からその自由利用の利益を奪い,ひいては産業の発達を阻害するおそれを生じ,上記の特許制度の趣旨に反することになるからである。
そして,特許請求の範囲の記載が,明細書のサポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものであり,明細書のサポート要件の存在は,特許出願人(特許拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟の原告)又は特許権者(平成15年法律第47号附則2条9項に基づく特許取消決定取消訴訟又は特許無効審判請求を認容した審決の取消訴訟の原告,特許無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟の被告)が証明責任を負うと解するのが相当である。』
特許請求の範囲に発明として記載して特許を受けるためには,明細書の発明の詳細な説明に,当該発明の課題が解決できることを当業者において認識できるように記載しなければならない
サポート要件満たすには、
(1)原則として、記載必要
(2)記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであればOK
そして、サポート要件の存在の証明責任は,特許出願人、特許権者が負う。
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他社の特許侵害のおそれがあるが、グレーの場合どうしたらよいか。そんなご質問には、私はこう答えています。
(1)鑑定を依頼する。その場合、訴訟経験者、あるいは、訴訟経験者が監修していることが好ましいですね。また、鑑定は複数の者に頼み(3名から5名)、客観性を出すことが重要です。
ただ、自己に都合のよい結論を求めて弁理士のショッピングをしないこと(都合のよい鑑定結果のみ集めても、戦略を見誤ることは起きてもメリットはありません)。
また、鑑定依頼するとき、自分達の考え方は言わないこと(鑑定人を誘導してしまう可能性があるので)。
(2)次に、無効理由を必死になって探す。当該特許が外国出願しているかを調べ、その拒絶理由を見ることは必須です。外国出願をしていない場合も、外国文献は調べるべきでしょう。
(3)設計変更の余地も検討すること。
(4)特許権者の知財戦略を研究しておくこと。攻撃的な会社か、どうか。
交渉になったときのカウンター特許を用意しておくこと。
(5)訴訟が想定される場合、答弁書をすぐに出せるように、論理展開、証拠資料の収集等あらかじめ準備しておくこと(現在の訴訟はすみやかに対応しないと負けてしまう可能性が高い)
(6)無効審判もすぐに出せるようにしておく。なお、証拠によっては、登録後の情報提供をしておき、権利行使に対する牽制をしておくことも一つの手法です。その場合、質の良い資料でないと、かえって自信を持ってしまう可能性があります。
(7)最終的には、ライセンス申し入れも考えておくこと。
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特許法102条3項 特許権者又は専用実施権者は、故意又は過失により自己の特許権又は専用実施権を侵害した者に対し、その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
この規定は、擬制規定か推定規定か?
という質問を受けました。102条のタイトル、損害額の推定・・というタイトルですから、一応3項も推定規定でいいようです。
擬制規定か推定規定かで何が違うか?というと、擬制規定だと、実施料相当額が、損害の最低限額として、必ず保障される。しかし、推定規定だとすると、侵害者側で、損害額を立証すれば、推定が覆る。
しかし、そうだとすると、正規に実施契約をせず、勝手に実施して、売れなかったら、本来の実施料より安い実際の低い利益に基づく損害を払えばいいということになって、侵害した方が得となる。
そこで、そのような場合、適法に許諾を求めた場合に支払わなければなかった実施料は、102条3項ではなく、民法709条の逸失利益として損害賠償することが可能と解すれば足りるというのが、田村説(田村善之 知的財産権と損害賠償p327)。
ということは、侵害者がわざわざ実施料相当額より低い損害であることの立証をすることは無駄ということとなる。
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特第73条(共有に係る特許権)
特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
2 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
3 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない。
ここで、甲乙が共有特許権者である場合、丙に甲が実施許諾をした。但し、乙の同意を得なかった。
丙の実施行為により、乙の売り上げが落ちた。甲はどういう責任を負うのでしょう?
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特許法70条は、「特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない。」としている。
特許権侵害の判断において、なぜ、特許発明の技術的範囲という概念を持ちだし、これに基づいて抵触判断をすることとしたのであろうか?
特許発明の範囲とか、発明の保護範囲という文言を直接使わずに、「技術的範囲」という言葉を用いているのにはそれなりの理由があろう。
注解特許法(中山)青林書院の解説(担当 松本=小池)によれば、「本条1項は、基本的には、特許請求の範囲の法的な効力を規定する趣旨の条文であって、特許出願中の審査における特許法29条、特許法39条の先願発明との同一性審査等、特許要件認定にあたっての出願発明の範囲如何を規定するのもである。そして、同時に一旦特許登録された後の当該特許権の第3者の実施行為を排除しうる範囲、すなわち保護範囲を規定する」としている。
このように保護範囲を画定するにあたって、「技術的範囲」というものを画定するのである。それはなぜか。・・・(つづく)
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第1条
この法律は、
商標を保護することにより、
商標の使用をする者の
業務上の信用の維持を図り、
もつて産業の発達に寄与し、
あわせて
需要者の利益を保護すること
を目的とする。
★保護客体は商標(マーク)
保護法益は業務上の信用(需用者利益)
であり両者にずれがある。
創作保護法ではない。
特実法では、保護対象が発明(考案)
保護法益は発明(考案)がもたらす利益
意匠法では、保護対象が意匠
保護法益が意匠の創作がもたらす利益
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