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February 07, 2015

ファイブフォース分析の知財的視点<知財経営フレームワーク

 知財的なものとしての典型的な経営戦略フレームは、ファイブフォース分析であると言ってよい。
 その基本的な意味内容は、他の紹介サイトにお任せするとして、それを知財視点で再定義すると下の図のようになる。
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 ここで、注目して欲しいのは、代替品の脅威である。
 知的財産権は、代替可能なものを強制的に「代替不能」にする。逆に言えば、代替不能なものであれば、知的財産権制度は不要となるのである。そこで、最強の知財戦略は、「代替不能性」を商品、あるいは、ビジネスの仕組みに織り込むことである。知的財産権の取得は、その一例にしかすぎないということを忘れてはならないのである。
 そして、売り手の支配力が買い手の交渉力に勝つには、商品なりサービスに「優位性」が必要で、さらに「代替不能性」で強化されることが必要である。
 従って、知財戦略を考えるときは、最初に「知的財産権」ありき、ではなく、なにをもって「優位性」とするのかということと、その「代替不能性」はあるのかという検討である。いきなり特許出願しましょう、ではなく、優位性のある知的財産が存在するか、その代替不能性を検討しつつ、どのような知的財産権でそれを担保できるのか、を検討する、ということになる。
 次に新規参入の脅威である。これを防ぐには参入障壁が必要である。代替不能性があれば自ずと参入障壁が生まれる。知的財産権による守備は参入障壁を作るが、その他の手段でも参入障壁を作ることは可能である。知的財産権の中でも特許・実案・意匠の各権利は、権利の存続期間を経過すると障壁が消失する。しかし、ブランドを守る商標権は更新により永続性をもつ。よって、ブランド戦略を永続的に強めていくことが重要である。
 買い手の交渉力の立場からみると、これは先行者を切り崩す戦略を要すると言えよう。ここでも、売り手側を切り崩す、新たな知財を生み出し、対抗馬として送り出すことが重要となる。
 こうやって、ファイブフォースをみるとき、まさに、知財戦略の場で活躍するフレームワークと言ってよい。
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注:なお、このようなフレームワークは、あくまで「思考の補助線」であり、問題解決のためのツールとしての役割にすぎない事に気をつけたいと思います。フレームワークを使ったとたん、そのフレームの枠内に思考が限定されてしまうことを意識したいものです。

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