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July 16, 2014

スティーブ・ジョブズの名言から学ぶ知的財産権法(1)

 知的財産権法を学ぶには、事例を見ながら体験的に学ぶことが望ましい。対象となる知的財産は、無体財産ともいわれ、触る事のできないもの(intangible)で、実感しずらいものだからである。

 そこで、適当な事例を選んでその都度例示しながら説明することがよく行われるが、ここでは、スティーブ・ジョブズという希有な才能の活動を通じて知的財産法について学びたいと思います。
 記事を書くにあたり、かつて、このブログで、スティーブ・ジョブズの知財という記事を数回掲載したことを思い出し、彼の足跡をたどって、知財戦略のあり方を検証しつつ、知的財産権法について考察するならば、知的財産権法の理解を容易にするであろうと思い、スティーブ・ジョブズの名言から学ぶ知的財産法、を掲載していくこととしました。
 企業が事業を成功させ、維持していくには、競争優位性を確保し、それを維持していかなければなりません。ハーバード大学経営大学院教授で経営学者のマイケル・E・ポーターは、競争優位を創出するための 3 つの基本戦略として、競争相手よりコストを下げる「コスト・リーダーシップ戦略」、 競争相手以上の付加価値を提供する「差別化戦略」、競争範囲を狭く限定してその市場における優位性を創出する「集中戦略」を提唱していますが、知的財産は、狭義には「差別化戦略」の源泉となり、広義には「コスト・リーダーシップ戦略」「集中戦略」にも通じるもので、広く競争優位に資するものであります。
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 知的財産を自社の競争力の源泉として経営戦略の中に位置づけ、 それを事業活動に組み入れることを「知財経営」と言いますが、これを簡単に言うと「知財によって競争力を確保・維持・強化する経営手法」(中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニ ュアル:経済産業省・特許庁)とも言えます。
 スティーブ・ジョブズは、これを端的に以下のように述べています。
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 スティーブ・ジョブズが、事業や商品の創造面において「知財」を意識したことは、明らかです。しかし、彼が、「知財リスク」を想定していたかは、疑わしい部分があります。その意味で「知財経営」を意識していたかは不明です。
 ただ、スティーブ・ジョブズの足跡、発言を知るとき、かなり知財的発想をしており、経営的にも、また、知的財産戦略という視点からも学ぶべき点が多いことは確かです。
 それでは、これから、彼の足跡をたどりながら、知的財産法を学んでいきましょう。なお、知的財産は、属地主義に基づき、各国で定められた国ごとの法律で保護されるもので、スティーブ・ジョブズの発明等は、アメリカ法での保護が中心となり、必要に応じて我が国に出願され登録された場合のみ、日本法で保護されるわけです。ここでは、日本の知的財産権法を学ぶことを中心としますので、スティーブ・ジョブズの知財を日本法で保護する、という立場を想定しての解説になりますこと、ご了解下さい。

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