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July 2009

July 24, 2009

奴隷になるか村八分にされるか<知的資産ビジネス塾

昨日の東京大学、知的資産経営総括寄付講座、公開セミナー 知的資産ビジネス塾は、圧巻であった。セミナーテーマは、製品アーキテクチャのダイナミズムを踏まえたオープン標準化と知財マネジメント(小川紘一教授)であった。

イノベーションを生み出し、知財の大半を握っても瞬時に世界シェアを失ってしまう。
研究開発投資が大きければそれに対する見返りも大きいという原則が我が国では通用しなくなっているという。
そのうな現実を我が国エレクトロニクス産業の例を挙げ、オープン標準化で国際分業が進んだ分野で、なぜ日本が負けるのか、なぜ欧米は知財を競争力に直結できるのかが紹介された。

結論:標準化といっても必ずブラックボックスがある。その中の知財はオープンにしない。
その周囲の知財オープンにし、巨大な市場を形成する。
オープンの部分とブラックボックスの間には、相互依存性があり、ブラックボックス部分を分離・除去できない。
ネットワーク外部性+知財+契約の組み合わせで技術改版権の独占、技術進化の独占を図る。

かような戦略を、インテルやノキアをはじめ、欧米企業がとっているとのこと。
標準化の枠組みに入ると、そこそこ利益が上がるが「奴隷化」する。標準化に入らなければ、「村八分」となる。さて、この巧みな仕組み、どうする?ここが問題ですね。

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July 22, 2009

上杉鷹山<「徳を積む経営」

私は本屋に出かけて、平積みされた話さ題の本のタイトルを眺めるのが習慣化している。ビジネス関連書のコーナーの本を見ていて最近思うことは、どうも「せき立てられているなあ」ということ。何かせき立てられ、慌ただしい。なぜこういう気持ちがわくのであろうか。ビジネス・ノウハウや、ビジネス・テクニックをこれでもかと披露している。私もそのような本から優れものを選んでは読んでいるのであり、否定するものではないが・・・果たしてそれだけでよいのか、という思いは大きい。

そんな中、「代表的日本人」 内村鑑三 岩波書店 が目についたので、購入して読んでいる途中である。なぜ惹かれたのか、というと、日本が今後世界に互して競い合っていくには、日本人の持つ、オリジナリティとか智恵とかが大事ではないか、常日頃思っていたからで、ひょっとしたらこの本に書いてあるのではないかと思ったからであった。

代表的日本人として、内村鑑三が挙げているのが、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮聖人である。(なお、なぜこの5名を挙げたのかについては、松岡正剛の千夜千冊に詳しい。)

上杉鷹山まで読んだところで、この記事を書こうと思い立った。上杉鷹山の生き方に、今回の経済危機を乗り越えるヒントがあるように思えたからである。上杉家は、ご存知のように、歴史的経緯の果て、越後から会津さらに、米沢へと転封され、その間に藩の禄高は激減、上杉鷹山が藩主になったころ石高は15万石であった。しかし、かつての100万石時代(会津時代)の家臣はそのままで、負債も相当であったという。これを、上杉鷹山は改革したのであった。

上杉鷹山が、MBAを取得していたわけではない(当たり前であるが)。鷹山は、自ら率先して一汁一菜を実践するなど、倹約に努める。様々な行政改革、産業改革を行い、新しい経済基盤を作る。ここで注目すべきは、それら改革の目的の中心に、「家臣を有徳な人間に育てる」ということを置いたというのである。富を蓄える理由として、「衣食足りて礼節を知る」、を範としている。廃止されていた藩校も再興する。その名は、興譲館である。謙譲の徳を振興する所、の意味である。

思えば、日本の経済人が書き下ろした、経営指南本には、このような「徳」を説くものが多いように思える。松下幸之助氏、稲森和夫氏しかりである。学ぶべきは、経営のテクニックではなく、人間としての徳なのであろう。

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July 17, 2009

知財学会コンテンツマネジメント分科会

本日は、知財学会、コンテンツマネジメント分科会に参加してきた。
知的財産の保護に寄与する最新技術~動画自動検索技術の応用実績と将来の可能性、と題する講演(日本女子大学、小舘香椎子教授(株)Photonic System 
Solutions)。

これは、光コンピュータを使った動画検索技術の話。
FReCsという著作権管理システムによる無許諾動画の検索と削除要請をするというものである。
顔写真の識別技術を利用して開発された動画検索技術である。無許諾動画を特定して当該動画を載せているサイトに削除要請をする。欧米のサイトはかなりの削除率であるが、アジアでは、削除に応じないサイトもあるという。
この点は、もう文化の差であるし、教育の問題でもある。

検索には、光相関エンジンを使っており、データベースの画像と動画サイトにアップされている動画との対比により相関関係を調べる。

画像や動画コンテンツ制作者にとって、コピー画像が出回ることはできるだけ、排除さえなければならない。それを人力で調査していたのでは、きりがない。このシステムは、その労力を軽減する上でとても有用なものである。

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July 16, 2009

出会いとアイデア

昨日、ナレッジプロデューサの坂本善博氏にお会いした。坂本氏は(株)資産工学研究所の代表取締役であり、ナレッジマネジメントのファシリテータでもある。その坂本氏におもしろい話を聞いたので、ここで紹介させていただく。

出会いをローマ字で書くと、DEAI。最後のIを一番前に出すと、IDEA。

出会って、I(私)が前に出ると、アイデアが生まれる。

全くその通り、出会いは、人と人の知識が融合し、知恵を生み出す源泉となる。

まさしく、私が目的とする、知識融合の源泉である。

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July 15, 2009

実物大ガンダム@お台場

ガンダム30周年を記念して、実物大ガンダムが制作されたと聞いたので、昨晩、展示されているお台場の潮風公園に行ってきた。

Gandum0弁理士会での会合の後に来たため、夜9時を回っていた。闇夜に浮かぶガンダムは幻想的である。ライトアップは夜8時までという。

残念と思っていたら、ガンダム自体が光り始めた。

Gandum2

Gandum3ただ光るだけではなく、霧も噴出し始めた。

Gandum4 Gandum5 Gandum6 Gandum7

Gandum1 先日の富野氏のスピーチで氏が熱く語っていたガンダムへの思いが、実感できる気がした。鉄腕アトムに次ぐ日本アニメ文化の金字塔である。

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July 14, 2009

知財想定という考え方<誌上セミナー(2)

前回の誌上セミナー(1)に続き、今回は第2回目・・テーマは、「知財想定」。

事業を進めるにあたって、どのような知財リスクがあるのか、どのような知財が生まれる可能性(生む必要性)があるのか、を予め想定しつつ、事業計画を立てましょうということです。

Photo

事業化の妨げになるような知財リスクを想定し、事実としてどのようなリスクがあるかを調査する。存在する場合それに対しどのような対処をすべきかの意思決定も必要である。知財リスク想定である。

一方、販売する商品のネーミング、デザイン化等の場面で生まれてくるであろう、知財の想定と、その保護のあり方、それらを予め想定しておく。知財創造想定である。

Photo_2

そして、この知財創造想定や知財リスク想定が上手く機能するには、関係者の相互コミュニケーションが必須である。

コミュニケーションで、どれだけ必要な情報を得られるか。そこには、前提として信頼が必要となる。上手くいくかいかないかは、このコミュニケーションシステムが機能するか否かでもある。

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July 09, 2009

中学生たちが作るidea共有サイト

中学生たちが作る、idea共有サイトを紹介させていただきます。 http://idea.namikikai.com/このサイトは、教員の川俣純先生や、山口治先生が管理運営しており、単なるアイディアを集めるためのものではなく、学校の枠をこえて,投稿されたアイディアを参考にしてさらに新しいアイディアを生み出すためのインターネット環境を提供しようとの志をもって運営されております。

「これまでの授業では,生徒のアイディアはすごいと担当教師から評価されることはありました。しかし,そのアイディアが次のアイディアにつながるように私たち技術科教師は十分に配慮してきたでしょうか。各学校ごとならば,先輩の作品を写真にとるなどして継承がはかられてきた学校もあるかもしれません。学校を越えてのアイディアは共有はなかなか実現できていなかったように思えます。」との反省を踏まえ、信州大学教育学部の村松浩幸先生が提唱されている,知的財産の学習サイクル・・・・知的財産を取り入れた技術の授業「知の創造,知の共有,知の尊重」を参考に、「アイディアを継承する技術教室を作り上げる・・・との課題を設定し、そのための一手段として、このサイトを立ち上げたようです。

「アイディアの連鎖」という概念良いですね。アイデアの連鎖、知識の連鎖があって、始めて新規創造が生まれてくる。このサイト運営にも参加されていらっしゃる山口治先生は、ロボットアイディアチャレンジ2008の一環として開催された中学校教員向け「知的財産研修会」 ・・「なるほど!ナットク!アイデア報告書」(講師、村松先生及び小職)、に参加していただいた、熱心な先生です。
その講義で、村松先生と共にお教えした、目的・構成・作用効果分析による発明抽出方法(社会人向け特許明細書作成方法を中学生向けに少々簡易化したもの)を、早速教育現場に取り入れられました。
そして、『アイディアの言語化が苦手な生徒が多いので,「生徒の思い→問題点→目的→構成→効果→分析→新たな課題→生徒の思い」の流れを大切にして,アイディアの言語化できる生徒を育てて行ければと考えています。単純に,虫食い問題のように,自分でキーワードとなることばをいれれば文章になるようなものを作ろうかと考えています。さらに,アイディア発見シートで,知的財産を頭に入れたので,アイディアひらめきシートで知的財産を発散する活動も重視していこうかと考えています。』と意向をお持ちのこと。

「生徒の思い→問題点→目的→構成→効果→分析→新たな課題→生徒の思い」の流れを明確に認識するには、どうしたらよいのか、という点にお答えするため、小職より次のようなメッセージを送らせていただいた。

『「空を飛びたい」という目標があったライト兄弟・・最後には飛ぶことができました。空を飛ぶにはどうすればよいか・・・。いろいろ考えた。着眼すべきは何でしょうか。「機能」・・浮力です。機体を浮かせるにはどうすればよいか・・・。翼の形状が決まります。発明の各構成を、「機能実現手段」と言います。目的→構成→効果の内、効果は空を飛べるです。構成は、そのための構造。構造と効果を結ぶ作用(機能)が重要です。空を飛ぶには、・・空気中で浮けばいいんだよな。浮くにはどうする? 浮くための浮力。翼の形、重量は軽い方が良い。推進力が必要だね。・・・どうでしょうか。願望であった空を飛ぶ・・が具体的な構成物になってきませんか。』

これに対し、山口先生から『「目的,構成,効果」でアイディア発見シートを書かせていると,こんなことに気づきます。「そんな構成では,その効果は得られないでしょう!!」
目的→構成→効果の流れを一貫して説明できると説得力が増すように感じています。中学生は,知識不足なところがあるので,その一貫性をもたせられるようにアドバイスをしてきたのですが,曖昧なアドバイスをしていたところがあります。
 「本当にこの構成で,この効果が得られるの?」とか「これじゃこの効果は得られないよね!!」といった感じで,漠然と説明していました。自分でも構成を考えながらのアドバイスです。
 今回教えていただいた,「機能実現手段」というものが,互いを結びつけるということが,とても参考になります。生徒にアイディアを一貫したものとして表現できるアドバイスがよりできそうです。』とのご返事。

この知財文化・創造と教育の他のページで紹介しているように、「目的,構成,効果」対応関係による発明分析は、大人向けに作ったもので、これがきっちり出来れば、特許出願明細書もクリアになるものです。しかし、大人でも意外に出来ない人が多い。むしろ、頭の柔らかい中学生の方が、飲み込みが早いのではないでしょうか。このような教育を中学のときからやっていただけることに、知財界の者としてうれしい限りです。日本の将来を託すべき若者たちが知財を尊重し、技術・文化の発展に貢献できる人材に育っていただければ幸いです。

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July 08, 2009

多数決からヒット商品は出ない<ガンダム30周年記念講演

昨日、日本外国特派員協会で、機動戦士ガンダムの作者、富野由悠季氏による、「ガンダム30周年にあたって」と題する講演会が開催された。

R0010688 右手を挙げ、熱弁をふるう富野氏

話は、漫画が教育上は悪とされていた時代に、占領政策で唯一「よし」とされ、学校で見せられたディズニー漫画から始まった。

ディズニーの善し悪しはともかく、それがきっかけで、アニメの世界に興味を持ち、手塚治虫の虫プロに入ることとなった。

氏の話は、とても哲学的であり、ガンダムへの思い入れの深さを感じる。その全体を紹介したいのであるが、ここでは、印象に残ったことだけを紹介したい。

第1・・・CGにより簡単にアニメや映画ができるようになったが、かえって、良い映画が少なくなった。・・・・アニメ制作も同じ。(会場から)インターネット検索だけで記事を書いてしまう記者も増えた。本当の世界は、デジタルだけでは見えない。

第2・・・民主主義、多数決で正義が決まるのか。多数決が正義とは限らない。アニメの世界・・・決して多数決では、ヒット作品は生まれない。

第3・・・スタジオジブリの宮崎駿氏は、物語作家であるが、自分は作家ではなく、作ったのはコンセプトだけである。・・・故に、宮崎氏はアカデミー賞はとれた。しかし、自分の作品は物語ではないから、終わっていない。物語は完結した段階で過去のものになるが、ガンダムはコンセプトだけだからまだ終わっていない。・・それが30年続いた理由? といった趣旨。

これらは、知財の世界にも大いに関係があるのではなかろうか。デジタルだけで語ってはいけない。多数決ではなく、個のオリジナリティ。コンセプトが大切。

いやはや、楽しい講演会でした。ちなみに、講演は同時通訳で、外国人記者に伝えられました。

関連サイト

http://plaza.bunka.go.jp/museum/meister/animation/vol2/

http://temple-knights.com/archives/2005/08/post_202.html

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July 05, 2009

神谷利徳<建築デザイナー

本日の、フジテレビ「新報道2001」で建築デザイナーの神谷利徳氏が紹介されていた。

http://www.kamiyad.jp/

氏がデザインする店舗は、お客が絶えないという。氏のデザインが、というより、氏が、依頼人である店のオーナーの気持ちをデザインを通じてきっちりと伝えるからである。「デザイナーはデザインを殺したほうがいい。」とのことは、それを象徴している。

氏は、デザインにあたって、依頼人とのインタビューを通じ、顧客目線にたって、「おせっかいに」デザインを提案していく。店が提供するメニューや、料理の出し方まで提案する。デザイナーの領域を(一見)超えている。

しかし、それがあって初めて「デザイン」なのだと思う。デザインとは、問題解決のための表現・・・番組の冒頭での説明である。まさに、その通りであり、顧客獲得(顧客側からすれば、気持ちのよい接待)のためのコミュニケーションのできる場の設計なのであろう。

知財コンサルも似たようなとことがある。依頼人に、「おせっかい」と言われるような提案をしばしばする。どういう「創造」をすべきか。どういう「商品」を作るべきか。すべて気に入られるとは限らない。

神屋氏の姿勢には共感するところが多い。

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July 03, 2009

知財学会 分科会報告

昨日の 第2回ビジネスと知的資産・知財法研究分科会について報告します。
東京大学知的資産経営総括寄付講座 特任准教授 犬塚篤先生による、「知的資産経営研究の流れと課題」というテーマで開催された分科会。

非常に興味深く、質疑応答も大いに盛り上がった。

R0010670

分科会メンバー間での共通認識を図るため、そもそも「知的資産とは何か」を語っていただければ、とのご依頼に応じていただいたのであるが、この「そもそも論」こそが大問題であったようだ。犬塚先生には、この難問に答えるべく大変なご負担をかけてしまったようで、この場をお借りして、お詫びと御礼を申し上げます。

犬塚先生による講義がほぼ1時間強で終わった後、参加者による質疑応答。質疑応答も、1時間強。終わったのが、9時近かった。何をもって知的資産とするかは、様々で、定まっていないが、概念として、将来価値をもたらす無形資産であるということは、共通している。
知的資産がどのように将来価値を生むのかについてのメカニズムは解明されていない。伝統的な知的財産である「特許」にしろ、ビジネスとの関係は必ずしも明確ではない。例えば知財ポートフォリオを作ってもそれが収益に結びつなかい。犬塚先生は、それをデータに基づいて示してくれた。

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ところで、昨今提唱された、知的財産報告書の作成が提唱されたが、成功したとは言えない。では、「知的資産報告書」の開示施策は成功するであろうか。貴殿はどう思われますか? 問題は、知的資産を開示することの意味である。これを開示する企業にとってどれだけの意味があるかを検討しなければならない。
ただ、知的資産を「意識する」ことの意味は、企業にとってとても大切なことであるは疑いない。
知的資産は「静的」に捉えても意味がない。それを「動的」に捉え、知的資産をどのように運用すれば将来価値を生むのか。そのために組み合わせるべき資産、運用者の資質、触媒となるもの、それらはどうあるべきか、などなど様々な意見、議論が飛び交った。
「もやもや」としていた何かが払拭された、という参加者の声が上がった。

R0010672

犬塚先生、ありがとうございました。

今回の内容は、とてもブログでは伝えきれない内容で、充実した会となりました。

なお、次回の分科会は、9月の第1木曜18:30分からの予定です。詳細は後日。皆さんも、知財学会、ビジネスと知的資産・知財法研究分科会に参加しませ
んか。申し込みはこちらです。

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