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June 17, 2009

何のための知財?<誌上セミナー(1)

Photo_4 知財って、何のために存在するのでしょうね。

知的財産、という以上は「財産」であり、財産という以上は、なんらかの「金銭的価値」に換算できるはずですね。

しかし、知財という言葉だけが先行し、「人間が一生懸命考えたもの」はすべて知財であり、「価値」があるように錯覚してはいませんか。特許出願したものがすべて価値があるように思っていませんか。

知的財産と言われるためには、何らかの財産的価値を産んでいなければならないでしょう。さて、貴殿が考えた知財・・どういう価値を産んでいるのでしょうか。

そもそも本来的な価値がなければ、それは形の上で知財といわれるだけで、無価値な知識といって過言ではないでしょう。

本来的価値があっても、最終的な経済的利益を得られないでいる場合、それはなぜなのでしょうか。我々はそこをつきつめて行かなければならないのでしょうね。

まずは、価値のある知財を創出すること。そこが肝心。それから、様々な要因を考えてみてはどうでしょう。ただ、価値とは何かも、考える必要があります。技術的価値なのか、顧客にとっての価値なのか。

旭山動物園の話。顧客と価値感の物差しを共通化することが、行動展示という広義の知財を生み出した。お客様に真の動物の姿を見せてあげたい、という園長さんの思いが先立ったかもしれませんが、それが、市場の共感を産んだ。創造には、マーケティング視点も重要ですね。

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Comments

最近、次のサイトで記事を公開したことを思い出しました。
http://www.patentisland.com/memo224.html
金融工学に触れた最初の文章を飛ばして、関係する部分だけを抜粋すると、次のようになります。

知財業務の柱は、やはりイノベーション創造に大きく貢献することだと思う。知的財産権法の解釈や判例解釈では、イノベーション創造への貢献はできない。優れた知的財産を抽出し、その優れた知的財産の実体経済や社会における活用を促進し、優れた知的財産相互の組み合わせや優れた創作者の優遇などを通じて、さらに優れた知的財産の創造を促進して、イノベーションをさらに創造して、社会に価値提供をしていくことが、知的財産業務の王道であると思う。知的財産権の活用も、イノベーション創造に貢献するものにすべきである。

特許法の教科書的な書籍に、独占排他権を用いて先行者利益を確保するということが記述されている。しかし、これは実体経済を知らない法律家の机上の空論である。顧客価値を提供しない領域を独占排他権で囲んだところで利益確保はできないし、顧客価値を提供できる領域であっても顧客に存在と価値を認知してもらえるように市場を育成しなければ利益を得ることもできない。
また、たいていの場合、独占排他権の行使にパワーを使うよりも、新たな顧客価値創造にパワーを使う方が事業利益の確保と社会への貢献ができることが多い。

知財業務は、知的財産権法に基づいた権利の創造と活用を主体とする業務ではなく、知的財産を用いたイノベーション創造業務であるとすることが、健全であり王道である。
知的財産権の創造と活用は、イノベーション創造という目的の範囲内でのみ限定的な意味があるだけである。

Posted by: 久野敦司 | June 17, 2009 at 02:47 AM

久野様
コメントありがとうございます。
「イノベーションをさらに創造して、社会に価値提供をしていくことが、知的財産業務の王道である」とのご指摘、まさにその通りだと思います。
知財法業務をしていると、いつの間にか、知財権が中心となってしまい、その前提である、知財自体の価値を失念しがちになります。
ご指摘の点忘れずに進みたいと思います。

Posted by: pattom | June 17, 2009 at 07:12 AM

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