« April 2009 | Main | June 2009 »

May 2009

May 31, 2009

たらいの水

たらい」って知っていますか? 我々の世代では常識だが、ひょっとしたら知らない人もいるのかも。これは、結構大きい「平たい桶」である。洗濯機がないころは洗濯をこの桶で行っていたり、私が小さい頃は、夏の暑いときに、いわゆる行水を行ったものである。

昨日、友人から「たらいの水」の話を聞いた。たらいは、円形をしている桶だ。その中の水を自分の方、すなわち、手前にかき集めようとするとどうなるだろうか。水は手前の壁にぶつかり、壁に沿って自分から離れていくように逃げていく。これに対し、水を向こう側に押し出したらどうであろうか。向こう側の壁にぶつかって、丸い壁に沿って自分のところに戻ってくる。商売も同じだと。

この話、コンサルティングのような仕事ではとりわけ当てはまるように思える。自分の利益ではなく、まずは、顧客のために働く。これ重要ですね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 29, 2009

池内タオル<「風で織るタオル」

池内タオルは、極めて知財的な会社である。「世界で売れたエコタオル」と題した記事が、Voice 6月号(PHP)に載っている。

池内タオルは社員25名であるが、世界を相手に躍進中という。100%風力発電の電力で作られるタオルを販売している。そのタオル、「風で織るタオル」と呼ばれ、売り上げの1/3は欧米だそうだ。

その戦略は、まず、「コンセプト」を前面に打ち出している。風で織るタオルの原型は、ニューヨークのテキスタイルショーで、「The erath is protected by the wind」というキャッチフレーズでタオルを展示したところにあるそうだ。欧米のライフスタイルに合わせて、デザインはシンプルにし、差別化は、コンセプトの提示となった。商品デザインから企業デザインへと発展したのだ。

また、オリジナルブランドを作る以上、OEMは作らないという。自己ブランドの基準と相手先ブランドの基準が違っていたら、同じ商品につきブランド価値に自己矛盾が生じるからだ。

池内さんは、「いまは、モノを見る目がどんどん厳しくなって時代だと思います。だから差別化されないものは、安くても買ってもらえない」という。

まさに、企業デザインをコンテクストレベルから行い、ブランドもその視点から構築していす。意識しているのか知らないが、知財経営そのものだ。

関心空間・池内タオル http://www.kanshin.com/keyword/39352

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 21, 2009

東京大学 知的資産経営総括寄付講座公開セミナー”知的資産ビジネス塾”

昨日、第3回 東京大学知的資産経営総括寄付講座公開セミナー に参加した。今回は、新宅純二郎東京大学大学院経済学研究科准教授による、「新興国市場開拓に向けた日本企業の製品戦略」~技術力を新興市場開拓に活かすために~という講義。

以下、その概要を紹介する。

日本のCD-Rのシェアがなぜ、アジア勢に奪われたのか、についてその原因についての講義を受けた。

日本製品は過剰品質。これに対し、台湾のメーカーはそこそこの品質。台湾メーカーは、日本のOEM生産を通じて、日本の品質管理を学んだ。製品製造にあたって、品質をどこまで下げればよいか、を考えるのではなく、0から積み上げて、どこまで積み上げれば、そこそこの品質になるかを確かめる。ただ、その守るべき品質は、顧客ターゲットにより変わる。これを適正品質と呼ぶ。市場の要求に見合った品質である。

オートバイについても同様。ホンダ技研は、危機感をもって、オートバイの品質を落として低価格戦略。品質を下げずにコストダウンは難しい。せいぜい2割、3割。品質設計基準を見直し、品質を落としながらコストダウン。バイクの速度、中国は15キロから20キロ
日本の開発は、120キロでテスト。市場はそれほどの品質を要求していない。

三星電子の品質管理は、物理的品質ではなく、市場に出した後のクレーム件数÷販売台数=体感不良率とし、これを品質管理の指標とする。品質は顧客が決めるのであり、メーカーが決めるのではない。としているそうだ。

ここまで、割り切っているのか。それでは、日本が負けるはずである。

では、過剰品質問題にはどう対処すべきか。

第1は、ホンダ技研のように、市場に見合った、適正品質にして、対抗する。

第2に、適正品質のものに対し、価格差があるが、その価格差の意味が、ユーザーにわからない。これでは、品質のよいものが売れない。そこで、品質差の意味を見える化する。

この講義の途中で、新宅准教授が、受講生に、質問したこと。富士通、NEC、パナソニック等、パソコン作っているが、どこで、作っているか知っていますか?・・・・国内と思う?。海外だと思う?。・・・皆さんどうですか。会場でも答えは割れた。

答えは、国内。でも以外に皆さん知らないですね。そういった訴えかけ、各メーカーはしていないですね。そういうことが問題。

第3に、品質の差別化軸の転換・・ローカル化を考える。国によって、国民性により、どの部分の品質にこだわるのかをみて、品質の軽重を変える。

まだまだあります。

中国の例

中国では、冷蔵庫を居間に置く。冷蔵庫を客に見せて自慢したいからだ・・ということがまことしやかに言われていた。しかし、違った。冷蔵庫の規格。幅60cm。しかし、中国の台所へのドアは55cmだった。やむなく、居間に置いていたのだ。そこで、スリム化した冷蔵庫を発売、売り上げ10倍となった。

学ぶべき、気づくべきは、現地のライフスタイルを徹底調査することである。それに合わせてローカライズする。そこに気づけるかが重要。

・・・・・新宅先生、楽しい授業ありがとうございました。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

May 20, 2009

「kiss」したことありますか?

えー。これ何?・・このタイトル、きっと、驚かれたでしょうね。

Kissと言っても、ふつうのKissではありません。「Keep it simple and stylish」の頭文字をとったものです。

これ、キングジムの「ポメラ」を評して、慶応大学の印南一路教授が評した言葉です。印南教授によれば、ポメラは、Kiss理論をコンセプトに開発されたものだ、と。丁度、ソニーのウォークマンが、「録音機能」が必須であったテープレコーダから、「録音機能」をそぎ落とし、再生機能に特化して、街にくり出し、音楽ライフを変えたことと同じである。と評している。

商品開発のコンセプトワークに使えますね。

ところで、私は、もう一つ別の角度から、「ポメラ」を評しています。これは、「温故知新モデル」であると。

え、それって何?・・続きは明日。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 10, 2009

母の日に寄せて<お母さん業界新聞

今日は母の日である。

お母さん業界新聞という、とてもすばらしい新聞がある。今回、その紹介とともに、編集長の藤本裕子さんに頼まれて書いた「母たちへの一文」というコラム記事を紹介させていただく。母の日にちなんで書いた、私自身の母の話である・・。

*********************

母たちへの一文

「母の思い」

私の母は、昭和元年、農家に生まれた。乳母もいるような大きな農家だったそうで、女学校にも通わせてもらったそうだ。戦後まもなく結婚、嫁いだ先も農家だった。が、訳あって父と家を出、母の実家に戻った。父母は、厩を改装して住まわせてもらったそうだ。私は、そこで産まれた。ミカン箱をテーブルにしてスタートであったが、私が物心ついた頃は既に小さな家を購入して住んでいた。ただ、裕福でないことは確かで、生活の足しにと、よく実家の農作業を手伝いに行っていた。

母が偉いのは、私たち子供に、貧しさを感じさせなかったことである。お金がないことは子供心にわかっていたが、不足は感じなかった。「わが家には財産がないから、勉強して身を立てろ」が口癖であった。だから私の名前は、「勉」。授業参観などは必ず来てくれた。その時は、必ず和服をきれいに着こなして来る。そういう母を私は大好きであった。

今でも思い出すのが、母に背負われ、肩越しに見ていた農作業。白い割烹着を和服の上に着て料理をする後ろ姿。請け負った和裁の夜なべ仕事。石けんの残り香。「お母さんのニオイ」は石けんのにおいだ。母にとって、子供はいくつになっても子供。私がひげをはやしたとき言った言葉。「あんまり偉くなるなよ」。母の子への思いは偉大である。そんな母ももういない。

*********************

ところで、お母さん業界新聞は、希有な新聞である。何が希有かというと、広告をとらないのである。広告をとらないということは、広告収入がないのである。それで維持していくのはとても大変であろう。

しかし、キャッチフレーズでもある、百万母力でがんばり抜いている。記者もユニークである。全国のお母さんたちが記者なのである。だから、お母さんたちの、悩み、苦しみ、うれしさ、悲しさが生の声として伝わる。

お母さん業界新聞を通じて、お母さん同士が学びあい、子育て支援をする。お母さんの自立と、子供の成長を支援するのだ。学びの場として、お母さん大学も併設している。

読んでもらいたいのは、お母さんだけでなく、お父さんや、企業の経営者達。お母さんを味方にすると、なにが良いかというと、家庭が円滑になり、ひいては社会も円滑になるのだ。企業にとっては、お父さん達がしっかり「働く」ようになるのだ。

私は、お母さん大学のこのような機能を、「見えない広告」と評しています(これ、立派な知的資産です)。お母さんを味方にすると、きっと、口コミ等で評判がよくなりますよ。

お母さん業界新聞は、子育て応援団(企業・団体)を募集しています。詳しくは、お母さん大学のサイトをご参照ください。http://www.okaasan.net/

お父さんが新聞とって、お母さんにプレゼントしたら喜びますよ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« April 2009 | Main | June 2009 »