昨日、第3回 東京大学知的資産経営総括寄付講座公開セミナー に参加した。今回は、新宅純二郎東京大学大学院経済学研究科准教授による、「新興国市場開拓に向けた日本企業の製品戦略」~技術力を新興市場開拓に活かすために~という講義。
以下、その概要を紹介する。
日本のCD-Rのシェアがなぜ、アジア勢に奪われたのか、についてその原因についての講義を受けた。
日本製品は過剰品質。これに対し、台湾のメーカーはそこそこの品質。台湾メーカーは、日本のOEM生産を通じて、日本の品質管理を学んだ。製品製造にあたって、品質をどこまで下げればよいか、を考えるのではなく、0から積み上げて、どこまで積み上げれば、そこそこの品質になるかを確かめる。ただ、その守るべき品質は、顧客ターゲットにより変わる。これを適正品質と呼ぶ。市場の要求に見合った品質である。
オートバイについても同様。ホンダ技研は、危機感をもって、オートバイの品質を落として低価格戦略。品質を下げずにコストダウンは難しい。せいぜい2割、3割。品質設計基準を見直し、品質を落としながらコストダウン。バイクの速度、中国は15キロから20キロ
日本の開発は、120キロでテスト。市場はそれほどの品質を要求していない。
三星電子の品質管理は、物理的品質ではなく、市場に出した後のクレーム件数÷販売台数=体感不良率とし、これを品質管理の指標とする。品質は顧客が決めるのであり、メーカーが決めるのではない。としているそうだ。
ここまで、割り切っているのか。それでは、日本が負けるはずである。
では、過剰品質問題にはどう対処すべきか。
第1は、ホンダ技研のように、市場に見合った、適正品質にして、対抗する。
第2に、適正品質のものに対し、価格差があるが、その価格差の意味が、ユーザーにわからない。これでは、品質のよいものが売れない。そこで、品質差の意味を見える化する。
この講義の途中で、新宅准教授が、受講生に、質問したこと。富士通、NEC、パナソニック等、パソコン作っているが、どこで、作っているか知っていますか?・・・・国内と思う?。海外だと思う?。・・・皆さんどうですか。会場でも答えは割れた。
答えは、国内。でも以外に皆さん知らないですね。そういった訴えかけ、各メーカーはしていないですね。そういうことが問題。
第3に、品質の差別化軸の転換・・ローカル化を考える。国によって、国民性により、どの部分の品質にこだわるのかをみて、品質の軽重を変える。
まだまだあります。
中国の例
中国では、冷蔵庫を居間に置く。冷蔵庫を客に見せて自慢したいからだ・・ということがまことしやかに言われていた。しかし、違った。冷蔵庫の規格。幅60cm。しかし、中国の台所へのドアは55cmだった。やむなく、居間に置いていたのだ。そこで、スリム化した冷蔵庫を発売、売り上げ10倍となった。
学ぶべき、気づくべきは、現地のライフスタイルを徹底調査することである。それに合わせてローカライズする。そこに気づけるかが重要。
・・・・・新宅先生、楽しい授業ありがとうございました。
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