知財人財育成研究分科会 第13回例会が先週金曜日に開催された。昨年度の検討テーマ、「事業戦略と知財マネジメントをつなぐ人財の育成」を踏まえ、今年は、企業の知的財産マネジメント人材に焦点を移行。
今回、日本電気株式会社・江村克己知的資産統括本部長をゲストスピーカとし、「事業戦略と知財マネジメントをつなぐ人財の育成」というテーマの下、プロイノベーション時代における「知財人財育成」の課題や悩み等について議論を進めた。
具体的には、江村氏がNECにおける、知財戦略やその人材のあり方を惜しげもなく披露。これを題材に、モデレータの妹尾堅一郎東京大学特任教授(知的資産経営)が会場をリードし、議論した。
江村氏がNECにおける、知財戦略やその人材のあり方を惜しげもなく披露する点につき、「そのようなことは、秘密にする必要はない、秘密にすべきは、技術・・」と述べていた点は大いに賛成である。知財の保護のあり方、手法、ツールについては、これを公開し、大いに議論し、実際に使う場面で、そのスキルを競い合えばよいのだ。このポリシーは全く私も同じで、故に、培ったノウハウはすべて公開する姿勢でいる。
江村氏が指摘していたのは、知財部員の傾向として、「Reactive」であるということ、Activeに動けない。これは全く弁理士側も同じで、これを「待ち受け産業」であると指摘したい。
これは、これまでの仕事の枠組みがそうさせたのであろう。しかし、何かが起きてから、発明が完成してから・・・動く、というのでは、プロイノベーションの時代は、「手遅れ」なのである。
創造を扱う知財人材である。先手を打って、創造的に動きたいものである。その点につき、「待ち受け産業」的な中にも、型に当てはめることだけの動しかできない人と、型を破って創造的に動く人がいる、と指摘させていただいた。
江村氏から、宮大工の西岡常一棟梁の話が出、棟梁になれる職人と、単なる、かんなかけや左官で終わる職人との差が語られる(なお、西岡氏のことは、「木のいのち、木のこころ」新潮文庫を参照されたい)。妹尾先生からは、型破り・・守・破・離の話し。
私の私見だが、型を破れる人、知財マネジメントができる人は、もともとそういった資質を持った人が、その才能を発揮できる状態に育つのであって、その意味で教育は重要だが、資質自体を教育で付けることは不可能ではなかろうか、と思ってきつつある。
梅の花は桜に似ているが、梅は梅であり、桜にはなれない。なお、これは、梅の資質を否定するものではない。人にはそれぞれ資質がある。それを本人が見きわめ、自身の資質を最大に伸ばすことが重要であろう。
梅には梅のよさがあり、桜には桜のよさがある。
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